カスハラ防止法、施行まで2カ月!

 本年10月1日より、カスハラ防止法(※)が施行されます。「カスハラ」は「カスタマーハラスメ
ント」の略語です。
 企業の皆さん、準備はできていますか?
 
 この法律は、カスハラを行う人に「カスハラをしてはいけません」と言っているのではなく、企業
「カスハラ対策を行ってください」と、対策を義務付けるものです。
 ただ、この法律により、カスハラ加害者にならないようにしようという機運の醸成にもつながると
思います。

 対策を行わない企業に対して罰則はありません。
 しかし、カスハラを原因とする精神障害による労災請求は、近年急増していますし、企業の事前対
策が不備だった場合や、事後対策が不適切だった場合には、従業員から民事上の損害賠償責任(安全
配慮義務違反)を問われることもあります。
 何より、カスハラがいったん発生すると、対応する時間と労力と気苦労がとんでもなく必要になり
ます。
 対策を行わないことによる損失があまりにも大きいのが、カスハラということになります。

 私が労働局で勤務していた時も、セクハラやパワハラ、カスハラなどのハラスメントの相談が数多
くありました。
 従業員の方は、ハラスメントを行った加害者に傷つけられていることはもちろんですが、それより
も「会社に相談したのに何も対応してくれなかった」、「ハラスメントをした人に対して何の措置も
取ってくれなかった」などという企業の対応により強く怒っている相談が多くありました。
 もちろん、行政は、加害者に対して何らかの処分をする機関ではなく、企業に対してハラスメント
の防止と適切な事後措置を指導する機関ですので、よりそのような訴えになるのかもしれません。

 従業員の相談に対して何も対応しない、あたかも従業員が悪かったかのような対応をしていたら、
相談した従業員だけではなく、周囲の従業員も、この会社では安心して働くことはできないと判断し
、次々に辞めていってしまうことにもなりかねません。

 カスハラ対策は、実はセクハラやパワハラ対策よりも対応しやすい面があります。
 カスハラ加害者は外部の人なので、自ずとカスハラ被害者である従業員と企業とが一体となって対
策を行えるからです。
 その結果、従業員間のコミュニケーションの向上につながります。
 また、カスハラのきっかけは、商品やサービスの問題点や欠陥の指摘であることが多いため、これ
を契機として従業員研修などを行い、顧客対応力の強化やサービスの改善などにつなげることもでき
ます。

 カスハラ対策がまだの企業は、早急に取組むようにしてください。
 従業員が安全に安心して働けるようになることはもちろん、経済的な効果も期待できます。

(※) 「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の
一部を改正する法律」 (← 原文のままだと何の法律かわかりません)